はじめに
「親から相続した不動産が、兄弟で共有状態になっている」
「共有者の一人が全く連絡に応じてくれず、話し合いができない」
「共有持分のまま売ると二束三文になると聞いて、どうすればいいかわからない」
このようなご相談を、当事務所では数多くお受けしています。
不動産の共有持分は、共有者全員で協力して売却するのが理想ですが、現実には協力が得られないケースも少なくありません。今回は、そのような場合の解決方法について、実例を交えてご紹介します。

ご相談の背景
ご相談者は50代後半の次男の方でした。
状況:
- 10年前に父親が他界し、実家(府中市内の一戸建て)を相続
- 相続人は長男・次男(ご相談者)・長女の3人
- 不動産は3人の共有状態(各自1/3ずつの持分)
- 長男とは15年以上音信不通
- 長女は売却に賛成だが、長男の連絡先がわからない
- 次男は自分の持分を現金化して、老後資金にしたい
「長男と連絡が取れず、話し合いもできない。自分の持分だけでも何とかしたいが、どうすればいいか」というご相談でした。
不動産共有持分とは?なぜ問題なのか?
共有持分とは
不動産の所有権を複数人で分け合っている状態を「共有」といい、それぞれが持つ所有権の割合を「持分」といいます。
例:
- 長男:1/3の持分
- 次男:1/3の持分
- 長女:1/3の持分
共有状態の問題点
- 不動産全体の売却には全員の同意が必要
- 一人でも反対、または連絡が取れなければ売却できない
- 維持費(固定資産税など)は持分に応じて負担
- 放置すると、さらに相続が発生して共有者が増える
共有者が協力できない場合の4つの解決方法
共有者の協力が得られない場合でも、以下の方法があります。
方法1: 粘り強く連絡を試みる(当事務所がサポート)
こんな場合に有効:
- 連絡先がわからない
- 手紙を送っても返事がない
- 直接話すのが気まずい
当事務所のサポート:
- 住民票調査で現住所を特定
- 行政書士名義で手紙を送付(複数回)
- 第三者が間に入ることで、相手も応じやすくなる
- 3〜6ヶ月程度で接触できるケースが多い
今回のケースでの試み:
- 住民票調査で長男の現住所を特定
- 行政書士名義で状況説明の手紙を3回送付
- しかし、3ヶ月経っても一切反応なし
- 長女を通じた連絡も試みたが、長女も連絡先を知らなかった
→ 残念ながら、このケースでは接触できませんでした
方法2: 他の共有者に自分の持分を売却する
こんな場合に有効:
- 他の共有者が購入資金を持っている
- 他の共有者も共有状態を解消したいと考えている
メリット:
- 市場価格に近い金額で売却できる
- 共有状態から抜け出せる
- 他の共有者の同意が不要
今回のケースでの検討:
- 長女に次男の持分(1/3)を売却する提案
- 不動産全体の価値3000万円 → 1/3 = 1000万円
- しかし、長女には購入資金がなく断念
方法3: 遺産分割協議で調整する
こんな場合に有効:
- まだ遺産分割協議が成立していない
- 他に預金や株式などの財産がある
方法:
- 「不動産は長男が取得、預金は次男・長女が取得」など
- 代償金による調整も可能
今回のケースでの検討:
- すでに遺産分割協議は10年前に成立済み
- 不動産以外の財産はほとんどなし
- この方法は使えず
方法4: 自分の持分のみを第三者に売却する
こんな場合の最終手段:
- 他の共有者と全く連絡が取れない
- 長期間話し合いが進まない
- 早急に現金化する必要がある
メリット:
- 他の共有者の同意が不要
- 迅速に現金化できる(1〜2ヶ月)
- 共有状態から解放される
- 固定資産税などの負担から解放される
デメリット:
- 売却価格が市場価格の30〜50%程度になる
- 例: 本来1000万円の価値 → 実際は500〜700万円
なぜ安くなるのか:
- 買主は持分のみでは自由に使えない
- 他の共有者との調整リスクを負う
- 専門の買取業者しか買わない
今回のケースで選んだ解決策:持分のみの売却
長男との接触を3ヶ月試みましたが、一切反応がありませんでした。次男は「このまま待っていても状況は変わらない。老後資金が必要なので、安くなっても現金化したい」と決断されました。
選択肢A: さらに待つ
- いつまで待てば良いかわからない
- 長男が亡くなれば、さらに共有者が増える可能性
- 固定資産税の負担は続く
選択肢B: 裁判所の手続き(共有物分割請求訴訟)
- 時間がかかる(1〜2年)
- 弁護士費用が高額(100万円以上)
- 結果が不透明
選択肢C: 持分のみを売却
- 価格は安くなる(500〜700万円)
- しかし、確実に現金化できる
- 1〜2ヶ月で手続き完了
次男は選択肢Cを選択されました。
当事務所から、信頼できる持分売却専門業者を複数ご紹介しました。
業者選びのポイント:
- 実績が豊富
- 説明が丁寧で、強引な営業がない
- 査定額が適正
- 契約内容が明確
3社から査定を受け、以下の結果となりました。
- A社: 650万円
- B社: 580万円
- C社: 700万円
次男はC社を選択されました。
- 売買契約の締結
- 持分1/3を700万円で売却
- 契約書の内容を当事務所でも確認
- 登記手続き
- 次男 → C社への持分移転登記
- 登記費用: 約10万円
- 代金決済
- 手取り額: 690万円(登記費用等を除く)
トータル約1.5ヶ月で、次男は共有状態から解放され、老後資金を確保できました。
その後:
- 長女もC社に自分の持分(1/3)を売却
- 長女の売却価格: 720万円
- 不動産は長男(1/3)とC社(2/3)の共有に
この事例から学べること
1. 持分のみの売却は「最終手段」だが、有効な選択肢
確かに価格は安くなります。しかし、以下のような状況では現実的な選択肢です。
- 共有者と連絡が取れない
- 長期間話し合いが進まない
- 早急に現金化が必要
- 固定資産税の負担から解放されたい
2. まずは調整を試みることが重要
持分のみの売却に進む前に、当事務所では必ず以下を試みます。
- 共有者との接触を試みる(3〜6ヶ月)
- 他の共有者への売却を検討
- 遺産分割での調整を検討
それでも解決しない場合に、持分のみの売却をご提案します。
3. 信頼できる業者選びが重要
持分売却専門業者の中には、不当に安い価格を提示したり、強引な営業をする業者もいます。当事務所では、実績があり信頼できる業者のみをご紹介しています。
4. 「待つ」リスクも考慮する
共有状態を放置すると:
- さらに相続が発生し、共有者が増える
- 建物が老朽化し、資産価値が下がる
- 固定資産税の負担が続く
- 問題がより複雑化する
「待てば解決する」とは限りません。
府中市で不動産共有持分の処分に悩んでいる方へ
こんなお悩みはありませんか?
- 共有者の一人と連絡が取れない
- 共有者が売却に応じてくれない
- 話し合いを試みたが、合意に至らない
- 共有者が多数で、調整が不可能
- 早急に現金化する必要がある
- 固定資産税の負担から解放されたい
当事務所ができること
1. まずは調整を試みます
- 疎遠な共有者との連絡(住民票調査、手紙送付など)
- 意向のヒアリングと整理
- 合意形成のための粘り強い調整
2. 他の共有者への売却をサポート
- 持分の適正価格の算定
- 他の共有者との交渉サポート
- 売買契約書の作成
3. 遺産分割での調整
- 遺産分割協議書の作成
- 他の財産との調整案の提示
4. 持分のみの売却もサポート
- 信頼できる持分売却専門業者のご紹介
- 複数社からの査定取得サポート
- 契約内容のチェック
- 売却手続き全般のサポート
持分のみの売却について
当事務所では、以下のような流れでサポートいたします。
ステップ1: 現状の整理と選択肢の提示
- 共有状態の確認
- これまでの経緯のヒアリング
- すべての選択肢を比較検討
ステップ2: 調整の試み(希望される場合)
- 共有者との連絡を試みる
- 他の共有者への売却を検討
- 3〜6ヶ月程度
ステップ3: 持分売却の準備
- 信頼できる専門業者を複数ご紹介
- 査定の取得サポート
- 業者の比較・選定サポート
- 契約内容の確認
- 登記手続きのサポート
- 決済までフォロー
府中市の不動産共有持分でお悩みなら
不動産の共有持分は、放置すればするほど問題が複雑になります。
- 共有者がさらに増える(相続が発生するたび)
- 関係性がさらに疎遠になる
- 建物が老朽化し、資産価値が下がる
- 固定資産税などの維持費だけがかさむ
まずは調整を試みることが大切ですが、それでも解決しない場合は、持分のみの売却という選択肢があります。
当事務所では、府中市とその周辺地域で20年以上、不動産の共有持分問題をサポートしてまいりました。お客様一人ひとりの状況に寄り添い、最適な解決方法をご提案します。
石川慶行政書士事務所
京王線府中駅北口 徒歩2分
対応エリア:
府中市、国分寺市、稲城市、小金井市、国立市、調布市、多摩市
ご相談内容:
- 共有者と連絡が取れない場合の対応
- 共有者との調整サポート
- 他の共有者への持分売却サポート
- 遺産分割協議書の作成
- 持分のみの売却に関するご相談
- 持分売却専門業者のご紹介
- 相続登記、名義変更のサポート
初回相談は無料です。まずはお気軽にお問い合わせください。
府中市で不動産共有持分の処分にお悩みの方は、府中の行政書士・石川慶行政書士事務所へご相談ください。
行政書士 石川 慶